反核平和スポーツのつどい(オンライン)|核兵器廃絶をめざして

2022年10月1日、「2022年反核平和スポーツのつどい」がオンラインで開催され、14地域から35人が参加しました。今回、「平和をめぐる状況―核兵器廃絶をめざして」というテーマで、前川史郎さん(原水爆禁止日本協議会)に、最近の世界の状況、米ロによる核戦争の脅威、核兵器禁止条約の広がりと日本政府の動向などをレクチャーしてもらいました。

前川さんは「グテーレス国連事務総長は『広島と長崎の恐ろしい教訓は今日、記憶から消え去りつつある。以前は考えられなかった核戦争の可能性が現実にありうるレベルに戻ってきている』『核兵器が私たちを絶滅する前に、核兵器を廃絶しよう』というメッセージを発している。アメリカの研究者らは、米ロ核戦争が起きた場合、世界の50億人以上が餓死する恐れがあるとの試算を発表した。非常にコワい状況にある」と警鐘を鳴らします。

今、世界の核兵器数は総計12720。そのうち、米ロで1800発が「高度警戒態勢(命令が出されたら即発射)」にあり、もし発射されたら10分ほどで標的に着くと言います。

一方、南半球のほとんどの国々は非核兵器地帯に入っていて、核兵器に関する活動をしてはいけないことになっています。これを世界的に広げていこうというのが核兵器禁止条約です。

前川さんは、今年6月に行われた核兵器禁止条約第1回締約国会議で採択された「ウイーン宣言」を紹介し、「原水協が世界大会で採択している内容を、政府代表が採択している。同じ目標を持つ仲間として、ありがたいと感じる」と語りました。

こうした動きのなかで日本政府は、表向きは「被爆国として核兵器廃絶をリードする」「非核国と保有国の橋渡しをする」と言いますが、実際には「核兵器禁止条約に反対」「安保法制に基づく日米共同作戦体制の強化」という姿勢で、前川さんは「欺瞞的な態度だ」と指摘。「禁止条約参加署名」は今年4月に96万538筆を提出(第1次)しました。

前川さんは「いろいろな世代の人が『唯一の被爆国なのだから、すぐにでも核兵器禁止条約に参加してほしい』という思いを署名に託している。ぜひ一緒に署名活動に取り組んでほしい」と訴えました。

その後、各地反核平和マラソンレポートでは、13都府県からの報告がありました。自由発言タイムでは「暑さ対策として涼しい時期にするか、『原爆・終戦の夏』にこだわるか」という問題提起が…。これに対して、「夏は短めの距離で実施し、他に6月と12月に行っている」「ランナー高齢化で暑い時期にはできない」「走ることだけでなく『平和のつどい』というやり方もある」などの意見がありました。また、「『平和マラソン』という名称だと、長距離を走るイメージがあり気軽に参加できない人もいる」というコメントもあり、平和の取り組みのあり方について意見を交わす場となりました。