2011年度スポーツ予算について文部科学省に要請

新日本スポーツ連盟は2010年12月21日、文部科学大臣あてに提出した「2011年度の国のスポーツ振興策と予算案に関する要望書(全文・PDFファイル)」(以下「要望書」)にもとづき、スポーツ・青少年局の各担当者から回答を受け意見交換を行ないました。

スポーツ連盟の要請内容はスポーツ予算の増額を中心に、(1)公共スポーツ施設の整備・改修の推進、(2)総合型地域スポーツクラブのみを優先するのではなく、すべてのスポーツクラブに公正・公平な支援をすること、(3)競技力向上施策は、JOCなどの自主的な目標と計画を最大限尊重したものにすること、(4)新日本スポーツ連盟の主催する全国スポーツ祭典などへの支援・助成することでした。

これらの要求は、スポーツ連盟はもちろん多くの国民とスポーツ愛好者、スポーツ団体が共有できる要求であり、しかもその多くは、差し迫って解決を必要とするものです。

これまでの自公政権時代の対応の多くが、要請事項にたいし「見解の相違」で済まされていたことから見れば、今回の要請と意見交換では、各担当者も要請事項に関する現状認識と必要性は認め、実現のために努力しようという姿勢がうかがわれました。

たとえば、公共スポーツ施設の整備・改修を計画的に進めることに対して、廣石孝企画・体育科総務係長は、「公共スポーツ施設の整備はいわれるとおり重要である。特に施設の改修の問題については、昨年度の概算要求で制度的な拡充を打ち出したがご存じのように事業仕分けで大幅に削減された。施設整備費関係は、全体の予算の厳しさもあって、学校施設の耐震化事業に特化せざるを得ない。そこで、改修の事業については、昨年からtotoの助成対象とした」と『窮状』への理解を訴えていました。

総合型地域スポーツクラブだけでなく、すべてのスポーツクラブへの公正な支援と助成の課題では、生涯スポーツ課菊池信太郎氏は、「単一クラブには支援しないということではない。totoの助成でも単一クラブであってもNPOなどの法人格をもつクラブにも助成対象にしている。また、困っていることがあれば個別的にも相談して欲しい」。また、スポーツ連盟の全国スポーツ祭典への支援・助成についても菊池氏は、全国スポーツ祭典の内容についてわからないので、具体的な資料や話をうかがって個別的に対応したい」などと述べました。

しかし、こうした対応の一定の変化の一方で、施設整備の面でも地域のスポーツクラブへの支援の面でも、国として責務を明確にし、必要な計画を立て予算措置とるのではなく、ギャンブル収入としてのtotoの助成に依存するというこれまでの古い枠組みは変わっていないことも事実です。そのためにも、各地の段階で地域のスポーツ振興をはかるための自治体への要請や提案の行動をひろげ、それを基礎にして国のスポーツ振興の基本施策の転換をはかる運動を広げることがますます重要になってきています。

「2011年度の国のスポーツ振興策と予算案に関する要望書」