海外ウォーク「カンボジア・アンコールワットを歩く」

2019年12月9日から14日まで、5泊6日の日程でカンボジアのアンコールワットへ行ってきました(企画:新日本スポーツ連盟全国ウォーキング協議会)。アンコールワットは12世紀前半に30年間かけて建立されたヒンドゥー教寺院です。14世紀タイのアユタヤ王朝に滅ぼされてから、フランスの植物学者に発見されるまで400年以上の間密林の中で眠っていました。1992年には世界遺産に登録されました。
 
2日目から本格的なアンコールワットウォーキングがはじまりました。気温25度、快晴、日本の初夏の気候でウォーキングには最高でした。きれいなピンクの蓮の花が咲く池の中浮き参道を渡りアンコールワットに入りました。100mの長さの回廊には仏教の教えや歴史的な戦いの様子を石灰岩に彫り、それを組み立てた建物です。第三回廊はアンコールワットの四方を全て見渡せる場所です。前方は参道だが後はどこまでも密林の続く景色を見たとき400年前の密林の中のアンコールワットを思い浮かべました。
 
夜は伝統舞踊「アプサラダンス」を見ました。400名以上いた伝統舞踊家がポルポト政権下で10名しか生存できず、苦労して伝承した話を聞き、カンボジアの負の歴史も考えさせられました。
 
3日目は水中遺跡があるクバールスピアンへのウォーキングでした。ここは山の上の川の中に遺跡があります。道路は整備されていますが、ジャングルの中を歩く感じで、木の蔦でブランコなどもしました。
 
帰りは地雷博物館を見学しました。館長のアキ・ラーさんは少年兵の時地雷を沢山埋めたことがあるそうです。今でも農民や子供の手足を奪っています。現在は地雷撤去をして少しでも被害者が少なくなるために活動しています。
 
4日目はサムロン村訪問です。400名中200名が親戚だそうです。水道はなく井戸水の生活ですが、子どもの笑顔を見ていると何が幸せか考えさせられました。午後は恒例の養護施設訪問です。
 
今回も観光ウォーキングだけでなく、その国の歴史や文化に触れ日常生活の村を訪ねて交流するウォーキングになりました。参加者から次回はミャンマーを企画しての声があり検討を始めました。
 
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子どもたちに伝えたいこと、それは感謝の心
―カンボジアの孤児院を訪問して
 
今回訪問したメヤス博子さんは、カンボジアで孤児院を運営している。25歳で現地にわたり、20年が過ぎた。ここでは小学1年から高校3年まで25名の子どもたちが共同生活をしている。ここに来る子どもたちの共通点は親が養育できないことで、最近は児童虐待が原因になっていることが多い。
 
孤児院は1998年に作られ、「スナーダイ・クマエ」という名称になっている。「カンボジア人の手によるもの」ということで、カンボジア人が自らの手で子どもを育て、その子どもたちが自分たちの国を作っていく、そういう意味が込められている。
 
カンボジアはポルポト時代に多くの困難を経験している。今の親たちは子ども時代に、知識人・教師・医師などが多く殺され、子どもを育てる方法を親から学んでいない。孤児院に来る子どもたちは、親から学ぶことができなかったので、道徳観念がなく、衛生状態も最悪、「嘘をつく」、「物を盗む」などは日常茶飯事だった。共同生活でありながら、みんなが協力して暮らすという考えは皆無だった。
 
博子さんは、掃除・洗濯・食事の準備・後片付けなど、どれだけ時間がかかっても、一緒に分かるまで続けた。卒業生たちには、自分の近くにいる人を大切に思う気持ちを忘れず、温かい家庭を築いて欲しいと思っている。在籍した男の子が、スピーチコンテストで「今の自分が持っている感謝の心を忘れず、次の世代に伝えてゆきたい」と語った。今、皆さんに一番伝えたいことは「感謝の心」ですと博子さんは語った。(ひろば編集委員 岡本清)