新日本スポーツ連盟 第33回定期全国総会決議

スポーツの楽しみをすべての人に広げよう

2018年3月11日 第33回全国総会
 
新日本スポーツ連盟 第33回定期全国総会決議(PDFファイル)
 

総会決議の特徴と総会の役割

1.今回の構成は、第1章スポーツをめぐる情勢と課題、第2章は活動の総括、第3章は第33期の方針としました。作成上の特徴は、第1章では全体的な情勢と課題について述べ、全国連盟の具体的な活動の総括と方針は基本的にそれぞれ担当する部局が責任を持って起案することとしました。
 
2.情勢と課題については、以下の点を中心に提起します。国民のスポーツ権を明記したスポーツ基本法が施行され6年が経過し、2020東京オリンピック・パラリンピック(「2020東京オリパラ」)が目前に迫る中にあって、国民の「スポーツ実施率」が減少していることは見過ごせない課題となっています。こうした状況を踏まえ、国民のスポーツを楽しむ場所と時間とお金の確保と仲間を広げることが、スポーツ連盟を含むスポーツ界全体の共通課題になっていると考え、この課題の解決に知恵と力を持ち寄るための問題提起をしました。
 
3.上記のスポーツをめぐる状況とも関わって、第32期第1回評議員会は、スポーツ連盟の多様なスポーツ活動を組織拡大に結びつける取り組みを、「現状維持」から「前進への流れ」にするための方針として「スポーツ連盟の組織・会員拡大の取り組みについての討論の整理」を確認し、この間取り組んできました。この方針は現在進行中であり、その教訓を踏まえ第33期に於いても引き続き推進することとします。
 
4.引き続き連盟役員の「世代継承」や女性役員が活動しやすい条件や運営の改革にとりくみます。
 

第1章 スポーツをめぐる情勢とスポーツ連盟の課題

 

1、「スポーツを楽しむ人が減っている」

国民のスポーツ活動の実態は、スポーツ実施人口に関するいくつかの統計を見ると、ここ数年来「停滞・後退」を示しています。スポーツ庁の「スポーツの実施等に関する世論調査」(グラフ-1)などによれば、週1回以上のスポーツ実施者(20歳以上)は、2012年の47.5%をピークに年々減少し2016年は42.5%となっています。
 

 
その一方で、スポーツを全くしなかった人が36.8%となり、前回の22.6%から14.2ポイントも増えています。さらに、継続的なスポーツ活動の場としてのスポーツクラブへの加盟状況についてみると、2013年は16.2%となっていて10数年来低い水準のままです。スポーツ実施率の減少は単に数字的な問題ではなく、スポーツの楽しさを実感し健康で豊かな生活を過ごす人々や家庭が少なくなっていることを示すものであり、国民のスポーツ権を明記したスポーツ基本法の実効性が問われるだけでなく、スポーツ基本法の理念に逆行するものといわねばなりません。
 
①スポーツ施設が足りない
スポーツ連盟の日常活動の経験では、スポーツ大会や教室などの会場を確保することが年々厳しくなっています。参加希望者を受け入れられない例が増えるだけでなく、従来の大会を実施する施設の確保さえも難しくなっています。「スポーツ施設が足りない」という実感は、スポーツ庁の「体育・スポーツ施設現況調査2015年度」(表-1)など、統計的にも裏付けられています。わが国のスポーツ施設の総数は、1985年の292,117個所をピークに2015年は195,640個所となり96,477個所も大幅に減少しています。
 

 
減少は学校施設が多いことは確かですが、公共スポーツ施設の減少も看過できません。1996年の65,528個所から2015年の52,714個所へと、ほぼ20年間で12,814個所、率にして約20%も減少しています。第2期スポーツ基本計画がスポーツの実施人口を現在の42.5%から65%に増やすという数値目標を立てていますが、それを可能にする施設整備目標と計画を具体化することを抜きにしては絵に描いた餅です。施設不足の問題は、国民全体のスポーツ実施率の減少にとどまらずプロバスケットボールリーグや今秋開幕をめざす卓球「Tリーグ」の設立にとっても切実(朝日新聞2017年5月9日付)な要求となっています。
 
国の公共スポーツ施設整備補助金制度の廃止などもあって地方自治体のスポーツ振興予算(グラフ-2)はこの20年の間に半減し、しかもその中で「普通建設事業費」が5分の1に激減していることは、施設の減少と施設不足に拍車をかけるものとなっています。ところが総務省は、人口の減少予測をもとに地方の公共スポーツ施設の統廃合を推進するよう地方自治体に要請しており、これはスポーツ基本法の理念とは相容れないものであり、強く撤回を求めます。
 

 
スポーツ庁の同調査によれば、国民の「運動・スポーツの実施場所」は、第1位が「道路」で43.8%、「公園」が22.2%となっています。こうした場所で行う「運動・スポーツ」は、散歩やウォーキングなどが予想されますが、散歩やウォーキングが安全に楽しくできる環境を整備するとともに、公共スポーツ施設の減少をくい止め、増設に踏み出す施策が不可欠です。国と地方自治体ならびに民間企業の協力も含め、財源の裏付けのある「スポーツ施設整備基本計画」を策定することを提案したいと思います。そのためにも、安易に「スポーツの産業化」やサッカーくじの収益金に依存するのではなく、国民のスポーツの権利を明記したスポーツ基本法にふさわしい財源を確保するために、国民的な討論と運動を呼びかけます。
 
②総合型地域スポーツクラブ優先の施策をあらため、すべてのスポーツクラブ・チームに依拠した地域スポーツ振興策をはかろう
文部科学省は国民のスポーツ振興策の重点課題として1995年以来、総合型地域スポーツクラブ(以下、総合型クラブ)の育成に特化した施策を進めてきました。しかし先に触れたように、この20年、国民のスポーツ実施率は増えるどころか減少に向かっています。この現実は、総合型クラブ育成のみに偏った施策の誤りを明確に示しています。
 
ところが、第2期スポーツ基本計画(2017年3月策定)においては、総合型クラブへの支援策として、「総合型クラブの登録・認証等の制度を新たに構築する」こととしていますが、これは、「公益的な取り組み」への貢献度によってスポーツクラブの差別化と「行政の下請け化」を進めるものであり、スポーツクラブの自主的な発展に逆行するものといわねばなりません。スポーツ連盟は当初から総合型クラブの役割は尊重するが、それのみを優先し、行政が上から推進するやり方には反対してきました。
 
本来スポーツクラブは、会員の自治的な組織として運営し活動することによってこそ、生命力を発揮するものです。活動の対象を多種目とするか単一種目とするか、どのような年齢や階層の人々を対象とするかなどは、クラブ構成員の自治と自主的な判断によって決めるべきものです。従って、国や自治体は、総合型クラブと単一種目クラブを区別することなく公平な施策を進め、両者のクラブが対等の立場で協力し合う環境をつくることが求められます。
 
③第2期スポーツ基本計画の改善を求める
第2期スポーツ基本計画は、「スポーツの『楽しさ』『喜び』こそがスポーツの価値の中核」とスポーツの価値を強調するとともに「あくまでもスポーツの主役は国民」と明記しました。さらに、障がい者スポーツへの踏み込んだ提案、国際交流における国連やユネスコとの連携強化など、一定の努力が見られます。
 
しかしその一方で、「『一億総スポーツ社会』の実現」、スポーツの成長産業化、大学および競技を横断する新たな大学スポーツの統括組織(日本版NCAA:全米大学体育協会)の創設をめざすなど、スポーツの商業化への支援を大きく打ち出すなど、国民のスポーツの権利を実現する政府や地方自治体の公的責務をないがしろにする施策が強まっています。
 
また、公共スポーツ施設の整備増設の課題は、既存施設やオープンスペースの有効活用の指摘にとどまり、「スポーツ参画人口の拡大」の場の保障はありません。さらに、地方公共団体にたいしての、スポーツ施設の新改築、運営方法の見直しにあたり、コンセッションをはじめとしたPPP/PFI等の民間活力により(注)、柔軟な管理運営やスポーツ施設の魅力や収益力の向上による持続的なスポーツ環境の確保をはかる」との内容は、国民のスポーツをする権利を損なう可能性もあります。(注:国、地方公共団体の公共施設等を民間企業が「公共施設等運営権」を得て行う管理運営方式)
 
スポーツ連盟は、こうした第2期スポーツ基本計画の課題の検討を行うとともに、全国レベルでのスポーツ庁へのポーツ予算案と施策に関する要望と意見交換など、全国でも地方でも予算要求・懇談などを通じて、スポーツ基本法に則った施策の具体化を進めます。
 

2、フェアプレイ精神はじめスポーツの価値をまもる

国民の多くは健康や体力向上、公正、誠実、他者への敬意と共同など、健全な精神がスポーツを通じて育まれることに大きな期待を寄せています。スポーツ選手たちのより完成されたパフォーマンスはもちろん、災害被災者や社会的弱者への支援の行動などは、共感と人間的な信頼を広げています。
 
その一方で、大相撲の横綱による暴力事件、後を絶たない学校部活における暴力・「体罰」、さらには、オリンピックをはじめ国際的メガイベントをめぐる不正な資金提供疑惑、ロシアでの組織的・国家的ドーピングなど、スポーツの価値と存在自体をおとしめる出来事が頻発しています。
 
スポーツ連盟は2009年2月に「新日本スポーツ連盟『フェアプレイ宣言』-スポーツの真の発展のために」を発表しました。そこでは、「フェアプレイ精神を発揮することは、スポーツの価値を高め、スポーツの真の発展に貢献します」とのべるとともに、「フェアプレイ精神は、スポーツの価値の核心をなし、明記されたルールの範囲でプレイすることを越えた意義を持ち」、「競技場だけでなく社会において発揮することによって人間的にも成長させてくれます」と述べています。また近年、人種やジェンダーをめぐる差別的な言動がサッカーなどのプレイの場面でも問題となる中、その克服の確かな努力が始まっています。
 
スポーツ連盟は、幾多の不祥事によってスポーツがおとしめられようとしている今日、スポーツへの政治の介入や行き過ぎた商業主義的利用を規制するなど、その克服の努力をするとともに、フェアプレイを中核としたスポーツの価値を擁護するためにスポーツ関係者との共同を推進します。
 

3、スポーツは平和とともに

①核兵器禁止条約署名・批准に向け スポーツ界からも声を上げよう
昨年7月の国連総会で、「核兵器禁止条約」が122カ国からの賛同で採択されました。この条約の採択は、核兵器の非人道性を明確にするとともに、核兵器の違法性を世界が承認し、核兵器廃絶の実現を大きく前に進める「始まり」となりました。その後、こうした取り組みの中心となった国際的なNGOの連合体ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受けたことは、連帯して取り組んできた「反核・平和マラソン」にとっても大きな励ましとなっています。
 
スポーツ連盟は、人間的な豊かな生活にとってなくてはならない文化であるスポーツは、人類の存在自体を否定する核兵器とは相容れないという立場から、反核平和マラソンなどにとりくんできました。こうした立場からこの条約の採択を支持し、わが国の政府を含む世界の国々がこの条約を批准するよう国民各層の人々と共にスポーツ界からも声を上げていきます。
 
②憲法9条とスポーツについて
現在わが国は、憲法9条の平和主義を守っていくのか、「戦争をする国」へとすすむのか、重要な岐路を迎えています。スポーツ連盟は、「暴力の否定を通じて平和の文化として発展してきたスポーツは、戦争とは絶対に相容れない」という立場から、「スポーツは平和とともに」を掲げ様々な活動をしてきました。こうした立場から、72年間「戦争をしない国」を保証し支えとなってきた憲法9条を守る国民的な運動や「スポーツ9条の会」(2004年12月結成)と協力しスポーツ界から平和の声を上げていくよう活動します。
 

4、「都市にオリンピックをあわせる」時代=2020東京オリンピック・パラリンピック

スポーツ連盟は、2020東京オリンピック・パラリンピックが、オリンピック憲章や「オリンピックアジェンダ2020」にもとづき、都民、国民に支持される「平和・友好」の祭典となるよう「2020東京オリンピック・パラリンピックを考える都民の会」(以下、オリパラ都民の会)の構成組織である東京都連盟と共同して取り組んできました。東京オリンピック・パラリンピックの総経費は、1,130億円の削減をめざしてIOCと協議、調整され、2017年10月時点で1兆3500億円程度と公表されました。しかし、依然として2013年の立候補ファイルの時点の7,340億円と比べ2倍近くにもなっています。
 
さらなる経費の削減をはかることが大きな課題となっています。そのためにも「都市をオリンピックにあわせるのではなく、都市にオリンピックをあわせる」という根本的な発想の転換が必要です。このことは、オリンピック運動の持続可能性を探求する方針を示すIOCの「オリンピックアジェンダ2020」(2014年12月採択)に則したものであり、オリパラ都民の会の見解と合致するものです。
 
同時に、経費の削減を進めるためにも、経費積算の詳細が出されないことから全体像が不透明になっていることが大きな問題です。組織委員会や東京都に準備活動の経費の詳細について徹底した情報を公開させることが必要です。さらに、東京都は、晴海の選手村建設用地を時価相場の10分の1という不当な安値でデベロッパーに売却しています。これに対し、1000億円の都民の財産が損失しているとして都民による「損失回復」のための住民訴訟が現在進められています。
 
2020東京オリパラに関連して、東京及び関東各地の公共スポーツ施設が改修工事に入り、スポーツ愛好者、スポーツ団体へのしわよせが広がっています。学校の休校施設の開放など代替え施設の確保に向けた取り組みを関係自治体に強く求めます。
 
ピョンチャン冬季オリンピック・パラリンピック開催にあたって、昨年11月国連総会で、「オリンピック開幕7日から、パラリンピック終了7日後まで、一切の敵対行為の停止」を求める決議が採択されました。この決議は、古代オリンピックの「エケケイリア(オリンピック休戦)」の伝統を受け継ぐもので、採択を前にキム・ヨナ(韓国、フィギュアスケート金メダリスト)さんは「ピョンチャンオリンピックは、平和と人類愛というオリンピック精神を全世界の人々と共有する場になると確信している」と演説しました。ぜひ、2020東京オリンピック・パラリンピックに受け継ぎ、2022年北京冬季五輪につながる、北東アジアのスポーツを通じた平和の交流を広げることを呼びかけます。
 

第2章 第32期の活動総括

 
新日本スポーツ連盟は前回総会で、次の「総会の基本目標」をかかげ活動してきました。
 
①多面的なスポーツの魅力と価値をすべての人々に広げる。
②人権、フェアプレイ、平和を基調とするスポーツの価値を継承・発展させる。
③スポーツを通じて、社会的経済的な貧困と格差をなくすための活動をすすめる。
④スポーツ連盟の多面的な活動を、スポーツ連盟の組織拡大と機関誌「スポーツのひろば」の普及に結びつける。
⑤役員の次世代への継承、女性役員の増加、方針を推進する新たな役員を選出する。
 
スポーツ連盟は上記の「基本目標」のもと、「スポーツは万人の権利」の創立宣言の理念が「スポーツ基本法」に明記された画期的な到達点を確信にし、「新たなチャレンジを開始しよう」と呼びかけました。そして、「種目組織と地域組織がクラブとともに生き生きと活動しよう」とのスポーツ活動の方針をはじめ「スポーツ権と平和」、「『スポーツのひろば』の普及と広報活動」、「草の根の国際交流」、理事会、評議員会など各種の会議の調整と準備、財政活動の強化に取り組んできました。また、スポーツ連盟附属スポーツ科学研究所と連携した活動など多面的な活動に取り組んできました。
 
2017年2月の第32期第1回評議員会で、十数年来続いている会員数の現状維持の実態と課題を検討し、前進面に学ぶと共に後退や困難に直面している組織の課題解決にも協力して力を尽くすことなど、「停滞から前進」への取り組みを開始し、第33期に引き継がれます。
 

1、スポーツ活動・組織局=前進へのチャレンジ開始

①第31回全国スポーツ祭典は、全国種目組織、都道府県連盟の努力が実り成功
第31回全国スポーツ祭典は、2016年4月に発生した熊本地震の早期復興を願い、「東北・九州復興支援」を掲げ、「好きやねん!スポーツの絆と平和」をスローガンに関西ブロック主管で行われ(2016年11月3日~2017年3月5日)、次につながる重要な教訓を得る大会となりました。
後援自治体19、首長メッセージ4府県、1市長。応援メッセージはスポーツ分野、文化人の5人からいただきました。
 
ソフトボール大会では、開催地の可児市ソフトボール協会と共同開催となり、体育協会加盟団体との初の共同開催大会となりました。軟式野球大会では、地元高校の吹奏楽部、バトン部の協力・参加した開会式。ミックスバレーボール大会では連盟組織のないいわき市で地元チームが実行委員会を作ってスポーツ祭典予選大会を開催し、代表派遣につなげました。卓球大会では、全日本選手権準優勝者が団体戦に出場。男子バレーボール大会では、三重県国体強化チームが出場するなど日本トップクラスの参加者があり、競技レベルの向上となりました。今回のこのような取り組みを、今後の教訓として、都道府県連盟、全国種目組織が緊密に連携していく事が求められます。
 
陸上大会では、5種目で7つの大会新記録、水泳大会でも大会記録更新がありました。兵庫県のゴルフ大会では、参加者の会員加入や大会を契機に体育館使用の調整会議への出席が実現するなど、今後の取り組みにつながる前進面が作られた第31回全国スポーツ祭典となりました。
 
種目組織のない都道府県でも全国大会に出場するチームや選手が増えている中、祭典のアピール、祭典予選へのエントリー方法、競技運営の改善など、都道府県連盟、種目組織の協力、連携が一層必要となり、スポーツ活動を通じた組織づくりや課題へのアプローチが求められます。
 
②旺盛なスポーツ活動の中で組織拡大に取り組む
創立50年を経て新たなスタートとなる総会で、全国種目組織と都道府県連盟、そして全国連盟があい協力して共通の目標と課題の実現する運動を強化し、種目と地域の一体感ある活動を抜本的に強める新たなチャレンジを開始することをよびかけました。
 
「組織拡大交流会議」を2017年6月に豊島区で開催。徳島バレーボール協議会の「人気の秘訣」、「三重卓球協議会の発足と展望」、全国サッカー協議会「チーム数減少の問題」、北海道テニス協議会「運営の危機的状況」という4つのテーマについて報告。分散会では、「10%増に向けて何が必要か?組織拡大への課題、問題点をあぶり出す」をテーマに、7つのグループに分かれてディスカッションを行いました。2日目は、現在抱えている課題の改善や新たな活動の展開にむけて話し合う「大相談会」を実施。種目組織と都道府県連盟が協力して活動を行うための第一歩として、協議する場となりました。
 
2017年12月の現勢調査では、4260クラブ、57149人です。連盟分担金基準会員から見ると、神奈川県連盟での目標達成や三重県卓球協、広島県卓球協などでの貴重な前進などがありましたが、前総会時と比較すると810クラブ、1431名の減少となっています。今期、新たな県連盟の結成はありませんでしたが、新たな協議会の結成が卓球で2015年に三重県で、2016年に宮崎県で県卓球協議会が結成され、石川県に卓球協議会結成に向けて準備会が開催されました。
・埼玉県ではウォーキング協立ち上げに向けて8月に第1回ウォーキングを開催
・神奈川県では横浜月例参加者611名を連盟員として加盟
・京都で初のバスケットボール祭典を開催 25チーム参加
・ソフトボール協では高知県ソフトボールでの20チームの加盟の具体化を進めています。
・卓球での新たな県組織確立が石川、群馬、栃木、熊本、長崎で準備され、このうち群馬、長崎、熊本では今年3月の発足が予定されています。
現在8都県で行われている「月例マラソン」が「第30回ランナーズ賞」を受賞したことは、ランニング関係者の継続性、長年の努力が認められた受賞であり、参加者にも支えられた取り組みとして、スポーツ連盟の組織を上げて喜びたい内容です。
 

2、スポーツ権・平和運動局=スポーツ要求・平和の取り組み 各地で

①行政への要請、話し合いが各地で広がる
*2017年2月、新日本スポーツ連盟と日本勤労者山岳連盟は、スポーツ庁・鈴木大地長官宛に「2017年(平成29年)度の国のスポーツ振興施策とスポーツ関連予算案に関する意見と要望について」という要望書を提出しました。「スポーツの主役は国民」を実感できるスポーツ施策を推進すること、統一的な登山者教育制度や山岳遭難救助システムを確立することなどを要望しました。
 
この懇談には、スポーツ連盟・日本勤労者山岳連盟(労山)関係者から7名、スポーツ庁から12名が出席。要望書に対するスポーツ庁からの回答のあと、短い時間での意見交換が行われました。
*2017年10月に和歌山県連盟が県教育庁スポーツ課と懇談をした他、北海道連盟、千葉県連盟、東京都連盟、神奈川県連盟、愛知県連盟、兵庫県連盟などで、県や市の担当課との懇談がもたれ、施設整備や優先予約、スポーツ予算などについての要望を提出しています。
*東京の中野区連盟では、区が施設利用料金の見直しを打ち出した際に、値上げの根拠にしている減価償却費は問題があると指摘してきたことが反映され、来年度の利用料金改定では、利用料金値下げになるという成果を生んでいます。
*2020年東京五輪、パラリンピックの関連で、東京体育館や有明テニスの森、辰巳国際水泳場、神奈川県立体育センターなどで優先予約が中止される事態が発生しています。こうした事象は、多くのスポーツ団体にとっては、死活問題になりかねず、今後も利用制限が広がることを懸念して早めに対応する必要があります。東京都連盟では東京都との交渉を通じて、代替え施設として武蔵野の森総合運動場、都立テニスコートなどが不十分ながら確保できました。神奈川県連盟も県立体育センターでの優先予約中止に関わって申し入れを行いました。各自治体への申し入れを早めに行い、自治体としての計画を掌握しなければなりません。
 
②「スポーツは平和とともに」の運動を各地に広げる
*各地で繰り広げる「反核・平和マラソン」の運動が19地域に広がっており、多くの団体との共同、サポーターなどで2016年は総数2099名が参加。2017年は2060名が参加しました。今期も平和首長会議と日本非核宣言自治体協議会からの後援が得られました。こうしたスポーツ界からの草の根の取り組みが、7月の核兵器禁止条約の採択につながり、条約採択に貢献した国際的NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)がノーベル平和賞を受賞した事などを力に、条約を批准する政府への転換をはかる取り組みになりました。
 
*国民平和大行進では、東京~広島のコースでスポーツ連盟や労山が旗をつないだ他、韓国体育市民連帯から広島~長崎の通し行進者として参加されるなど運動の広がりを見せています。今後は、国民平和大行進の各コースで、「スポーツは平和と共に」の旗をつないで多くのスポーツ愛好者が参加できるようにしなければなりません。
韓国体育市民連帯から国民平和大行進「青年国際リレー行進」への参加で、原水爆禁止日本協議会から、新日本スポーツ連盟に対して原水爆禁止日本協議会加入の呼びかけがあり、核兵器廃絶の運動を広げる立場から新たに加入をする方向で検討を進めてきました。
 
*「2017反核平和スポーツのつどいin広島」(期間8月5日~8月6日)が今年も多様な内容で取り組まれました。国民平和大行進到着出迎え集会から「戦跡めぐり」「平和資料館見学」「反核平和マラソン交流会」「広島~長崎500km反核平和マラソン出発式」「江田島ピースウォーク」「平和大好き卓球大会」と盛りだくさんな企画になっています。今後も、広島県連盟の協力なども得て、継続して取り組みをしていきます。
 
③2020年に「被爆75年福島~広島~長崎1800km反核平和マラソン」の開催準備
*2020年の7月23日~8月9日まで10日間にわたって開催します。
*全コースを6ブロックに分けて、ブロックの責任エリアでそれぞれランナーを募り、その区間のみ走ることを基本にランナーを募ります。
*「2020反核・平和マラソン1800km」は、通しランナーの参加に加えて、各ブロックの区間を走るブロックランナーを組織して、タスキをつなぐマラソンとします。
*かかわる予算については、引き続きスポーツ権平和運動局で検討することとします。
 
④2020五輪・パラリンピックをアジェンダ2020に照らして、持続可能な大会に向けた取り組み
*オリンピックの競技場整備については、当初の「8キロ圏内のコンパクトな会場」という無理な計画のため、新設や都民に利用されている公共のスポーツ施設を解体して整備する計画多く含まれていましたが、都民やスポーツ団体、環境保護団体などの運動によって、当初の整備計画を下記のように大幅に変更させることになりました。
 
立候補時   市民の要求    計画変更後
水球           仮設     既存施設利用 ⇒既存施設の辰巳国際水泳場
馬術(陸上競技場、野球場)仮設     既存施設壊すな ⇒既存施設の馬事公苑
テコンドー、フェンシング               ⇒千葉県幕張メッセ
バスケット、バドミントン 新設     既存施設壊すな ⇒武蔵野の森、さいたまスーパー
アリーナ
カヌー(葛西臨海公園)  23億    自然を壊すな  ⇒都有地に変更
セーリング        若洲92億  既存施設の利用 ⇒既存施設の江の島
アーチェリー(夢の島)         自然を壊すな  ⇒レイアウト変更実施
ホッケー(大井野球場)  25億円    既存施設壊すな ⇒レイアウト変更実施
テニス(有明テニスの森) 14面削減   代替えコートを ⇒大会後コート復活
新国立競技場       2520億円はNo!    ⇒設計変更し1500億円
 
*変更内容として、馬術競技場の整備では、陸上競技場と12面の野球場を壊す計画が、全面的に計画変更になり、陸上競技場と野球場が守られました。また、ホッケー会場として計画されていた別の野球場6面が壊される計画だったが、市民の反対運動があって、6面の野球場が守られました。カヌースラローム会場は、野鳥の宝庫となっている自然公園を壊して競技場を整備する計画を、環境保護団体らの熱烈な運動で、自然公園は全く壊すことなく、競技場を整備することになりました。
 
*競技施設や大会運営などの総経費が「2兆円」とか「3兆円」にふくらむという発言が組織委員会や東京都から行われ、都民から強い批判が広がっていました。こうした中で、オリパラ都民の会は、IOCにも直接の要請をするなどして、経費算出の根拠など情報公開の徹底と経費の大幅な削減を求めてきました。その結果、一定の成果も生まれていますが、引き続き努力が必要です。
 

3、国際局=多様で豊かに発展して来た国際交流活動

 
①地域における創造的な国際交流活動
ビビチッタ(世界同時マラソン)は、2017年には横浜で第8回大会、大阪で第5回大会、そして東京で第1回大会が開催されました。2017年4月9日、神奈川ウォーキングクラブ有志が本場イタリアのビビチッタ・ウォーキング部門に参加し、主催のUISP(イタリアスポーツ連盟)フィレンツェ委員会から歓待を受けるなど、新たな交流につながる機会となりました。
東京・荒川区連盟は7年ほど前から在日外国人バドミントン大会を継続的に開催しています。
また、2016年に創立40周年を迎えた大阪快走クラブでは、韓国のヤンチョン・マラソンクラブとのクラブ間交流が続いています。
 
②FSGT(フランス勤労者スポーツ・体操連盟)と韓国体育市民連帯との多様な交流
神奈川県連盟は設立50周年記念事業の一環として、2016年4月、横浜駅伝と月例マラソンに仏、韓からあわせて4名を招待しました。これまでFSGTのコー・ロードレースに神奈川県ランニングセンターから延べ10名が招待され、参加した連盟員が月例マラソンの運営に中心的に関わっていることなど、これまでの交流の経験が着実に組織的な力となって実を結んだ企画でした。
FSGTからは今期、第1回国際フットアセット大会への参加要請やベテラン卓球大会への招待があり、それぞれ代表団を派遣しました。2つの代表団派遣に共通した成果は、同時多発テロ(2015年11月)に襲われたフランスを訪れることで、「日常」を取り戻そうと奮闘している人びとを励ますことができたことです。
 
「スポーツを通じて、諸国民の相互理解と友好を促進し、平和な世界の実現に貢献する」(連盟規約2条4項)ための国際交流活動の意義が象徴されていると言えます。
 
韓国体育市民連帯との交流は、①2016年8月、韓国反戦・反核・平和マラソンへの招待、②2016年及び2017年7月~8月、原水爆禁止国民平和大行進に韓国体育市民連帯推薦の学生が参加した際、福岡ランニングセンターとの交流や広島での広島‐長崎反核平和マラソン出発のつどいでの交流、2017年8月、広島‐長崎反核平和マラソンに市民連帯共同代表のキム・ドクチンさんを招待、といった草の根のスポーツ交流に発展してきています。
 

4、広報局の報告

 
①「スポーツのひろば」の普及と広報活動の充実
「スポーツのひろば」の普及に関してこの2年間は、第32回全国総会時の部数(2419部)を基準に各組織が「10%増」を目指すことを目標に取り組んできました。一時は、2437部まで増えましたが、その後は減少傾向が続き、2017年11月現在2394部となっています。
 
これをふまえて、ほぼ毎月発行している「ひろば普及ニュース」では特に、「無料宣伝誌の活用」や「大会でのPR」「プログラムへの広告掲載」をさらに一層取り組んでもらうよう訴え、宣伝誌について、広島や新潟などから多くの依頼があり、活用してもらいました。 

また、普及に尽力した功労賞という趣旨で「2016年ひろば・オブ・ザ・イヤー」を実施。2017年2月11日の第1回評議員会で、広島県連盟(増誌率№1「一番伸びたで賞」)、愛知県連盟(増誌数№1「一番増やしたで賞」)が表彰されました。
この間、前進した取り組みとしては、岩手・広島・石川での地道な活動が実を結んでいること、愛知テニス協・京都テニス協などテニス関係者の読者が増えたこと、神奈川県連盟が自主目標の「チャレンジ300」を達成し300部以上を維持していることなどが挙げられます。
 
編集部は、「みんなで創るひろば」をコンセプトに、読者や連盟関係者が紙面づくりに関われるよう意識して制作し、以前に比べて投稿が増えています。また、各組織のフェイスブックやホームページに載せられたニュースをピックアップする企画に力を入れましたが、現時点では読者を増やすことに至っていません。読者もしくは未購読のスポーツ連盟役員・関係者のニーズと現在の誌面内容がマッチしていないこと、普及・宣伝を促進させる全国的なキャンペーン運動が足りないことなどを反省点として、今後いかに多くの読者に親しまれる「ひろば」にしていくかが課題です。
 
②インターネットの活用他 広報活動
組織拡大には、インターネットを活用した広報活動は重要と位置づけ、ホームページを、2017年5月に全面リニューアル。デザインを一新し、スマホに対応、各地の大会情報や活動記事をなるべく多く掲載しました。フェイスブックの普及については「すべて全国種目組織が開設できるように支援する」という方針で取り組み、現時点では野球、ランニング、卓球、テニス、バレーボールの5種目に留まっています。ただし、各連盟組織のフェイスブックは2年前に比べると格段に増え、現在は約50の組織が運用するまでになっています。
 
他、広報ツールとして「全国連盟通信」の定期的発行、リーフレットの作成と配布なども行いました。メールマガジンの発行も試みましたが、いまだ定期的なニュースとして定着していないのが現状です。
 

5、スポーツ科学研究所=継続しているスポーツ科学研究所の研究運動

「新日本スポーツ連盟附属スポーツ科学研究所(スポーツ科学研究所)」は、「『基本的人権としてのスポーツ』の実現に向けて研究を進めるとともに、一般市民のためのスポーツ科学とその体制の創造・発展に寄与する。」という目的を掲げて、2014年11月8日に設立されました。それ以降、年に2回の研究会の開催(3月は関東地区、9月は関西地区で開催)と研究年報『現代スポーツ研究』の発行、そうした活動のための運営委員会と編集委員会の開催、不定期ではありますが『通信』の発行を継続してきました。
 
スポーツ科学研究所の活動で特に力を入れてきたのは、国民のスポーツ権実現への運動を進めていく上で必須の課題である“国や地方自治体のスポーツ政策・行財政の現状分析”であり、特に2020東京オリンピック・パラリンピックをめぐる政策の分析でした。同時に、国民のスポーツ権実現の根拠ともなる“人間にとってスポーツとは何なのか、どのような文化的特質をもっているのかの解明”にありました。以上のことは、これまでの研究会のシンポジウム等の課題となっており、また『現代スポーツ研究』に掲載されています。『現代スポーツ研究』第2号が1月16日に発行されました。
 
さらに、「スポーツ活動およびスポーツクラブ・組織の実践の場に根ざした研究・調査・資料収集をおこなう。」と位置づけた事業のために、2017年12月23日に新日本スポーツ連盟全国ウォーキング協議会主催の「イギリスの『歩く権利』勉強会」に講師派遣という形で協力しました。
 

6、総務局および財政活動

 
①「連盟組織・分担金検討委員会」への支援と提言
第1回理事会の討論より、先ず分担金・連盟費・会費の実態調査をすることから始めていくことを確認し、会員拡大を目的とした会費(会員)のメリットの調査を併せて、全国種目組織にヒアリングしてきました。そして、「分担金・会費と加盟のメリット」中間資料集を作成しました。
 
②「リーダー養成講座」開催とリーダー養成委員会(DVD制作)への支援を強化
イ、全国連盟理事会メンバーを対象にした『リーダー養成講座』を実施しました。第1回理事会で第3課、第2回理事会で第1課を開講しました。
ロ、DVD制作への支援は、概算費用が15分映像データ制作で150~200万円かかることで反対意見もあり、総務局に差し戻しとなりました。
今後は、三役会にリーダー養成や役員育成について検討するよう働きかけていきます。
 
③顕彰制度について
2015年の創立50周年記念事業で初めて「顕彰」を行い、今後一定の期間で行うことや制度の整備など、適切な取り組みを行うことを検討し、理事会及び第1回評議員会で下記の「顕彰制度」を確認しました。
*次回の第33回定期全国総会より総会ごとに、在籍30年以上の連盟加盟クラブを表彰する。但し表彰は1回限りとする(創立50周年で表彰したクラブは対象外となる)
 
④地域(ブロック)スポーツセミナー補助金制度を2016年度より開始
地域(ブロック)スポーツセミナー補助金制度を2016年度より開始し、活用は、事前に申請書と要項と予算書、事後に決算含む結果報告書の提出が必要で、補助金は2万円/年です。2016年の実績は関東と東海で合計4万円、2017年の実績は東海の2万円でした。
 
⑤女性ネットワークでの動き
2017年2月評議員会や理事会等を利用して女性理事で活動企画を計画、スポーツ活動や悩み等のネットワークづくりにSNSやHPを活用していきます。また、女性会員に「アンケートのお願い」を8月理事会より開始し、年次計画を持つように取り組んでいます。
 
⑥「世代継承」への取り組みについて
各地での若手懇談会を特に関西で開催できるよう推進、兵庫県連盟と広報局で「兵庫de座談会」が実施されました。現在、懇談会を通じて知り合った若手スタッフでLINEを使った情報共有をしています。
こうした取り組みの中で、人材発掘、世代継承になるよう「リーダー養成テキスト」、「50年史」の活用が求められます。
 
⑦日本勤労者山岳連盟との定期協議について
日本勤労者山岳連盟の賛助会員への移行と、その後の活動については、新しい関係として定期協議を行ってきました。この中で、「互いの活動、共通する課題」について協議し、今期はスポーツ庁への予算要求を共同で行うなど、新しい活動を開始しています。
 
⑧災害支援の取り組みについて
2011年の東日本大震災・津波、福島原発事故での支援は、被災直後から全国種目組織、都道府県連盟などスポ-ツ連盟上げて取り組んできました。しかし、その後も全国各地で地震や風水害などの自然災害が連続的に起こりました。新日本スポーツ連盟では、それぞれの災害にあたって地元県連盟や加盟員に支援募金などを呼びかけて、被災地に届けてきました。
今期は、卓球が福島県での「復興支援卓球大会」を2016年、17年と開催、労山の「夏の保養プロジェクト」に協力しました。2016年の全国スポーツ祭典は「東北・九州災害復興支援」として取り組みました。
 

第3章 第33期活動方針

 

楽しい大会・行事、多様な組織、多彩な人材のスポーツ連盟をつくろう

新日本スポーツ連盟は、創立50周年を経て、「スポーツは万人の権利」と謳った創立宣言の理念が「スポーツ基本法」に明記された画期的な到達点にたって、「停滞から前進へ」の組織的、スポーツ活動の前進への取り組みを進めてきました。
この取り組みを支えてきたスポーツ連盟の良さは、全国連盟、全国種目組織、都道府県連盟が互いに協力し、活動していく運営にあります。「連盟組織・会員拡大の課題」も、この良さを発揮して取り組むために全力を上げます。しかし、日本のスポーツの現状は「スポーツ施設の減少」や「スポーツ実施率の減少」という状況の中にあります。こうした中でも、第31回全国祭典や日常のスポーツ活動で前進面を作り上げてきました。この総会を「いつでも どこでも だれもがスポーツを」の実現に向けて大きな運動に取り組む契機としましょう。
 

1、スポーツ活動・組織局=楽しい仲間作りの輪を広げよう

①いつでも、どこでも、だれもがスポーツを楽しみ仲間づくりの輪を広げよう
第32期に続き全ての種目組織と地域組織が、所属しているクラブやチーム、競技者、愛好者のスポーツ要求に基づく活動を展開していきます。
 
昨年組織目標を達成した神奈川県連盟では、組織の安定的発展(組織拡大)は「魅力あるスポーツ活動と柔軟な組織化」「そのために継続した努力と民主的な組織運営」にあるとの教訓を得ています。それぞれの組織ごとの要求を良く分析することが大切です。スポーツ連盟の運動の良さを加盟しているクラブはもとより、未加盟クラブにもアピールし、仲間づくりの輪広げ、スポーツ連盟と一緒に活動しスポーツの楽しさを分かち合い、スポーツ連盟の運動を共に大きなものにする取り組みをします。
 
⑴既存のリーグや協会が丸ごと加盟を希望するなど、スポーツの組織化をめぐって、スポーツ権の時代にふさわしい変化が生まれつつあります。こうした点で、より魅力あるスポーツ活動や事業と組織の民主的な運営、さらに、柔軟な組織化(例:横浜月例登録者の会員扱い)の工夫などを通じて、会員数10%、4500名増の目標を掲げます。この目標は、全ての連盟組織が、この10数年来の「現状維持」から前進へと転換し元気な連盟組織になる意味をもった目標です。
 
⑵そのためにも、新たな県連盟の創設と既存県連盟の組織強化、新たな種目組織、会員の組織化、スポーツ活動を旺盛な取り組み、大会を軸にしたつながりなどを生かし、組織拡大につなげよう。
 
⑶卓球では、準備会が開催された石川県で卓球協議会結成をめざします。
・埼玉県でのウォーキングクラブ結成に向けて、埼玉県連盟、全国ウォーキング協議会と連携して取り組みます。
・京都で初のバスケットボール祭典を開催(昨年25チーム参加)の経験を活かし、継続した大会開催につなげ、バスケットボール組織発足を目指します。
・全国ソフトボール協議会での、高知県ソフトボール20チームの加盟の実現を目指します。
・卓球での新たな県組織確立が石川、群馬、栃木、熊本、長崎で具体化されており、実現にむけて全国卓球協の取り組みを応援していきます。
 
⑷それぞれの組織では新たな人材の発掘を積極的に行い、仕事の分担、世代継承などについても良く討論しましょう。特に若年、女性の役員への登用をはかりましょう。
 
⑸種目組織は出前大会を旺盛に行い、新たな組織結成を目指しましょう。
 
⑹行事や今までおこなったことのない事業(例:各種種目体験教室)等へも積極的なチャレンジをしてスポーツ連盟の活動をアピールし、仲間づくりのきっかけを増やしましょう。
 
・全国連盟、種目組織、都道府県連盟が協力してブロック会議それぞれの活動の発展をはかることと、新たな組織結成(例:バスケットボール、空手)に向け取り組みます。
・空白地域での連盟確立(例:沖縄、青森、群馬)、地域種目協議会の確立を進めます。そのために空白組織対策費の有効活用を広げます。
 
⑺第32期に続き全国種目組織との懇談をすすめます
 
⑻若手、女性の交流の機会をより多く作ることや、横のつながりを作り、次世代を担う人材を発掘していきます。若い人材の趣向、感覚を取り入れスポーツ連盟に親しみやすい環境を整えます。
 
⑼各種目、都道府県連盟での組織拡大の促進に向けて「組織拡大交流会議」を開催します。
 
②全国スポーツ祭典と全国競技大会の成功を
⑴“東北発 広げよう スポーツの輪”のスローガンのもと、第32回全国スポーツ祭典を成功させよう
全国スポーツ祭典は、だれもが参加できる国民に開かれたスポーツ祭典です。同時に、国民のスポーツ権を実現する運動と結びついた運動です。主管の東北ブロック、全国種目組織、全国連盟は一体となり、祭典運動の歴史と伝統を受け継ぎ発展させ、全国スポーツ祭典を成功させよう。空手をはじめとした新たな種目へのチャレンジや空白地域での予選会開催を行い、協力、共同の輪を広げ、新たな県連盟づくり、新たな全国種目組織や種目組織準備会などの結成につなげていきましょう。同時に、2020年の第33回全国スポーツ祭典の成功に向けて準備が始まりましたが、予選開催、会場確保に困難が伴うことが予測されることから工夫が必要です。
 
2020年の東京オリンピックが「真の平和のスポーツ祭典・国際連帯の絶好の場」となることを願い、全国祭典は2018年、2020年と連動し、大きな視点から「協力・共同」を意識して開催、準備を進めます。
 
⑵2019年に開催される全国競技大会は、2018年での全国スポーツ祭典の到達点や反省点をふまえ、新たな課題を設定するなどの努力を進めましょう。全国種目組織の独自性を発揮し、組織強化に結実する取り組みとなるよう準備を進めます。そして2020年の全国スポーツ祭典の成功につながる大会になるよう取り組みます。
 
③全国連盟と全国種目組織との懇談会、都道府県連盟・ブロックの活動を充実させる
・全国種目組織との懇談は今期、全国野球協議会、全国バドミントン協議会、全国ソフトボール協議会との種目懇談会を開催しました。3団体にとどまりましたが、全国種目組織の現状や取り組み状況、全国連盟への要望など、率直に意見交換できました。今後も、引き続き全ての種目組織との懇談に向けて準備していきます。
・ブロック会議の主要な役割は、種目・地域を越えた交流と協力を通じて都道府県連盟の総合的な発展や空白対策を進めることにあります。会議規程等の整備と全国連盟と情報の共有化をすすめ、ブロック会議の持ち方や進め方を工夫することでブロックの種目組織、地域組織の発展を目指します。
・都道府県連盟とブロック活動の現状と課題の共有化と新たな発展方向を検討する交流会議やセミナーの開催を支援します。
・各地で競技大会などを取り組む際、該当する自治体のコンベンション事業との協力と活用を進めます。
・北海道テニス協議会が、運営役員の体制が確立できないことなどから、今年3月で活動を休止するとの報告がありました。全国連盟としても北海道連盟、全国テニス協議会と協力し、協議会再建に向け可能な支援を行います。
 
2、スポーツ権・平和運動局=スポーツ基本法を生かし、スポーツ権実現と平和の取り組みを広げる
①スポーツ基本法をいかした要求運動を広げよう
2011年6月の「スポーツ基本法」成立は、「スポーツは権利」と前文・第2条に明記しました。こうした基本法を法的根拠にして国や自治体にスポーツ愛好者、スポーツ団体、スポーツ関係者の要求実現をせまる共同の運動が発展することで、スポーツ関連予算増額や施策改善につながります。
・国や地方自治体との懇談の機会を増やし、「スポーツ基本法」を軸としたスポーツ行政の在り方を広げる運動を、全ての全国種目組織、都道府県連盟で促進します。
関係する自治体のスポーツ施策全体の把握とスポーツ予算の実態を一体で検討し、スポーツ予算
の増額、施設改善、国に対する要望など各自治体から上げることが、スポーツ基本計画への反映に
もなります。
・「公共スポーツ施設情報検討センター」(仮称)を設け、利用状況、利用料金、貸し出し方法や減免制度など管理運営などの必要な情報の収集と提供をめざします。
 
②スポーツの文化的退廃から守る取り組みを広げよう
昨年度もスポーツ界での「暴力」がニュースになり、飲料にドーピング薬物投入しライバルを陥れる行為も発覚しました。スポーツは、人間がより人間らしく発達するために、また生活をより豊かに向上させるために、人類が生み出したかけがえのない文化です。スポーツの未来は、ここにあります。そのことを前面にした2009年2月15日の「フェアプレイ宣言-スポーツの真の発展のために-」を生かし、スポーツ界から暴力、不正をなくすために取り組みを強めよう。
 
③オリパラ都民の会とともに
2020年の五輪・パラリンピックがアジェンダ2020に従った、無駄や無理のない、平和や友好のための祭典になるよう「オリパラ都民の会」の活動を支えていきます。
五輪のキャンプ誘致やホストシティの取り組みで、自治体のスポーツ施設の一般利用が制限されることのないように、自治体ごとに調査活動を強めます。
 
⑴2020年東京オリンピック・パラリンピック大会は、1兆5000億円の総経費が公表されているが、大規模な競技施設の建設や周辺の道路整備、等々を含めると、さらに経費が膨らむことが予想されています。
⑵東京都の基金が4000億円、組織委員会がチケット収入やスポンサー収入等々の総額を5000億円としている。9000億円の赤字補てん策が不透明であることなどもあり、運営経費の削減などをひきつづき求めていきます。
⑶無駄に金をかけない五輪計画に変更させる取り組みを引き続き行います。
⑷2020年東京オリンピック・パラリンピック大会が近くなるにつれて、東京都や周辺自治体が、各国のキャンプ地になり、その間に市民スポーツ活動が抑制させられる可能性があり、事前調査と自治体への働きかけを促進します。
⑸晴海選手村用地の値引き額1000億円(都民の財産)を取り戻す住民訴訟(投げ売り問題)を支援していきます。
 
④2026年アジア大会や2026年の札幌冬季五輪の招致について
第20回アジア競技大会は愛知県と名古屋市の共催で開催されます。愛知県連盟では招致立候補の段階から、自治体問題研究会関係者などと協同して、2016年8月20日に「2026アジア競技大会を考える県民の会」を結成し、これまでに10回を数えています。学習会や会場予定地の瑞穂運動公園ウォッチングを行うなどの中で招致内容の継続した検討を行っています。愛知県、名古屋市との説明会、懇談会も開催し、一向に進まない概要や予算の公開も求めつつ、今後も市民スポーツの発展とのかかわりで注視すると共に、アジアオリンピック評議会やIOC憲章の根本原則に基づき、必要な批判と提言を行えるよう関係者と協議していきます。全国連盟はこうした愛知県連盟の活動を積極的に支援していきます。
 
⑤国民平和大行進、広島平和の集い
「核兵器禁止条約採択」「ICANのノーベル賞受賞」という大きな流れを、条約批准に向けて反核平和の運動をさらに広めるよう「国民平和大行進」への積極的に参加し、スポーツ連盟の「スポーツは平和とともに」の旗をつなげます。いま、核兵器廃絶実現への取り組みは、「核兵器禁止条約」の署名、批准に向けた協同の広がりが求められています。そのためにも、「核兵器全面禁止・廃絶」の一点で活動する規約を持つ日本原水爆禁止協議会に加入し、平和を探求する取り組みの一層の協同と活動促進につなげます。
 
「2018年反核平和スポーツのつどいin広島」を、2018年は8月5日(日)、6(月)の日程で、開催します。連動した取り組みとして、可能な種目で「平和」と結んだ取り組みを呼びかけます。
 
⑥2020年「被爆75年福島~東京~広島~長崎1800km反核平和マラソン」
2020東京オリンピック・パラリンピック開催の年に、「被爆75年福島~東京~広島~長崎1800km反核平和マラソン」を開催するにあたって、各ブロックが軸になって取り組むと共に、通しランナーが積極的な役割を果たせるよう相協力して取り組みます。「平和と友好の祭典」とも言われる東京オリンピック・パラリンピックと重なることから、「反核・平和マラソン」も一体感のある取り組みとなるよう準備していきます。
 
⑦「戦争をしない国」の保障となってきた憲法9条を守る活動に取り組む
「スポーツは平和とともに」の目標は、戦争を放棄し、戦力を持たず、他国との交戦権を認めないという憲法9条の存在ぬきにはあり得ません。オリンピック運動の、平和の理念とも相通じる憲法9条を守るため、「スポーツ9条の会」「安保法制の廃止を求めるスポーツと体育の会」などとも連携し、“憲法9条改憲ノー”の国民的な運動に合流し取り組みます。
 

3、国際局=相互理解を深める国際交流促進を

①スポーツ連盟における国際交流の意義の確認
⑴連盟規約第2条(目的)第4項「スポーツを通じて、諸国民の相互理解と友好を促進し、平和な世界の実現に貢献する」。
⑵オリンピック憲章「オリンピズムの根本原則」第2項「オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会を奨励することを目指し、スポーツを人類の調和のとれた発展に役立てることにある」。
スポーツを通じて、平和な世界、平和な社会を実現することが、連盟の国際交流活動の原点であり、その意義と役割は今日の社会の中でますます重要な位置を占めてきています。したがって、第33期もこの考え方を軸にした事業を進めていきます。
 
②FSGTと韓国体育市民連帯との多様な交流を発展させる
スポーツ連盟と組織的な交流のあるFSGTと韓国体育市民連帯とは、それぞれの活動地域が2018年平昌、2020年東京、2024年パリとオリンピックの開催地となっています。これを機に、オリンピック運動が上記憲章「平和な社会」の奨励のためにどうあるべきか、当事者である私たちが「スポーツと平和」をテーマに討論する場やスポーツイベントの開催などを積極的に展開し、さらに一歩前進した組織関係を築いていきます。
 
これまで、FSGTとの間では交流協定による相互の招待事業を軸に交流をしてきました。今後もこのことを基本に、例えばコー・ロードレースに代わる新たな交流事業をFSGTに提案し、早期に実現できるよう働きかけていきます。一方、国際大会への出場や有志による大会・イベントへの参加、ダブルダッチを通じた文化交流など、協定の枠にとどまらない交流の要請や要望が出てきており、そのあり方が多様化しています。組織間の連絡をより密にし、各事業の趣旨を明確にした上で取り組んでいくようにします。
 
韓国体育市民連帯は、この間の反核平和マラソン参加を機に韓国でも反核平和マラソンを隔年で開催しています。反核平和マラソンのアジアでの展開を共同で進めていくことを目指します。
③地域、種目、クラブレベルの交流
クラブ、地方連盟や種目組織が主体となって取り組む草の根の国際交流事業(国内の在日外国人対象の交流事業を含む)をサポートしていきます。また、それぞれの交流を連盟の重要な財産として位置づけ、その教訓を学び成果や課題を分析していくことで、連盟の国際交流活動をよりいっそう豊かなものに発展させていくことに努めます。
④その他
・2020年東京オリンピック・パラリンピック大会を見据えた体制づくり(通訳や英文等の資料作成など)を進めていきます。
・CSIT(国際労働者スポーツ連盟)や加盟組織の活動など、国際的な動向の情報を収集し、主催イベントの案内など連盟員への情報提供に取り組みます。

4、広報局=「スポーツのひろば」の普及、インターネットの活用などの広報活動

①機関誌「スポーツのひろば」の充実・普及
「スポーツのひろば」は、スポーツ連盟への理解を深めるための機関誌です。また、「いつでも どこでも だれもが スポーツを」実践するために役立つ情報がたくさん詰まったアイテムです。
スポーツ連盟の運動を支え、次世代へ継承するためのツールとして「スポーツのひろば」が1クラブに最低1人購読されるよう努め、会員の組織とともに「スポーツのひろば」2500部実現をめざします。
 
そのために、誌面については、①1号になるべく全種目の記事が掲載されること、②種目を問わず共通する企画を練ること、③他の種目の記事でも興味が持てるような構成にすること、を意識して、読者のニーズを探りながら制作を進めます。また、「ひろば」普及運動のモチベーションアップにつながるような全国的な運動を検討します。
 
②インターネットの活用
ホームページやSNSを通じて、スポーツ連盟の活動を広く宣伝し、大会参加や加盟につなげることは非常に大切な取り組みです。
現在の全国連盟のホームページ、フェイスブック、ツイッターの更新・管理を強化し、2週間の1度の頻度でメールマガジンを発行できるよう努めます。
 
また、各都道府県連盟と全国種目組織が独自のホームページ(またはフェイスブック)を開設できるように支援します。各連盟組織の大会準備作業の軽減化・効率化を図るために、インターネットからの参加申し込みシステムの運用を検討します。
低コストでターゲットを限定して行事案内を知らせることができるフェイスブック広告の出稿や、ホームページを通じて収入が見込めるアフィリエイト広告の活用もあわせて検討します。
 
③その他の広報活動
「全国通信」は、理事会後速やかに発行し、必要なときに「拡充版」を作成します。また、2018年度版スポーツ連盟リーフレットを制作し、各組織に配布します。

5、総務局=総務局は、基本的には32期の総務局の役割を継続します

 
1、理事会の局間の情報共有化・サポート
2、主要会議の準備と文書の整理・発送
3、財政の堅実な執行と予算・決算の試算を提示していきます。尚、システム構築などでの募金は、新たな準備金としていきます。
4、理事会の局会議以外での連盟活動を「準備・サポート」
「世代継承」とも関わって、「リーダー養成テキスト」を生かす取り組みを検討していきます。
5、「共同代表制」については、「保留」となっていることから「機構・役員検討委員会」での検討課題としていきます。
6、意見が出されている連盟分担金納入方法や関連する組織規定については、次期理事会のもと「分担金・組織検討委員会」をつくり、検討していきます。
総務局は以上の取り組みを通して、スポーツ連盟の全国種目組織、都道府県連盟のさまざまな取り組みを、三役会議、理事会、評議員会はじめ各部局の会議になどに反映し、スムースな運営ができるよう取り組みます。
 

6、スポーツ科学研究所=スポーツ政策、財政分析を重視した活動をすすめる

スポーツ科学研究所は、今後も年2回の研究会の開催、年報『現代スポーツ研究』の発行、定期的な『通信』の発行を進めていきたいと考えています。こうした活動を通じて、今後も“国や地方自治体のスポーツ政策・行財政の現状分析”と“人間にとってスポーツとは何なのか、どのような文化的特質をもっているのかの解明”を継続していきます。
 
とりわけ、2020東京オリンピック・パラリンピック開催が迫る状況において、また2026年の夏季アジア競技大会を愛知県と名古屋市が共催する事態において、さらに、2026冬季オリンピック・パラリンピックの札幌市招致が表明されたことを受けて、今後益々巨大スポーツイベントと自治体行財政・都市政策の問題は、多方面の専門家と協力して分析・検討していく必要があります。大会開催までで終わるのではなく大会後の問題もきちんと追いかけていくことが重要です。そのためには、今後、スポーツ科学研究所内に「スポーツ政策・運動研究プロジェクトチーム」(仮称)を組織して、研究会のシンポジウムのためだけでなく、スポーツ連盟等の運動とリンクして実践的な活動を進めていくようにしたいと考えています。