山の仲間の絆を深めた「霧ケ峰・美ヶ原学習登山」|三重・山好会「第1回ハイキングスクール」
2022年7月16~17日、「第1回山好会ハイキングスクール」の締めくくりとなる1泊2日の学習登山「霧ケ峰・美ヶ原」が23名の参加で実施されました。初日の霧ヶ峰はその名通りの霧の中。三連休初日とあってビーナスラインには観光客、登山者の車の列が続きました。予定より1時間遅れの午後2時、霧に包まれた車山肩からニッコウキスゲの草原を車山へと向かいます。
山頂までもう一歩のところで霧が雨に変わり…。山頂の気象レーダーがかすむほどの本降りに→そして土砂降り。晴天なら八ヶ岳連峰、蓼科山が目の前に見える展望台も、この日は眼下の白樺湖さえ見えません。登山道は次第に川のように水が流れ出し既に花を見ている余裕もなく足早に下山口の車山肩へ登り返します。
そんな荒天の中、一時コースを逸脱するハプニングもあり、学びの多い1日目となりました。びしょ濡れで到着した宿では、宿のご主人やスタッフの皆さんが、雨具を干す場所、ハンガー、乾燥室、靴の中に入れる新聞紙など用意万端、テキパキと対応してくださり、感謝でした。暖かい温泉と、心のこもった盛りだくさんの手料理で元気を取り戻し、食後の「交流会」ではスタッフ、参加者の垣根を越えて話が盛り上がりました。夜、再び激しい雨音。天気の回復が予想より遅れているようです。
2日目の朝、バスは一段と深い霧の中を美ヶ原へ。今日は美ヶ原道の駅駐車場から高原美術館のモニュメントを見ながら牛伏山経由で牧場の中を山本小屋→美しの塔→塩くれ場→パノラマ展望コース→王ヶ頭へのコースです。
霧の中を牛の姿が見え隠れする中を進むと「美しの塔」に。ここからは目的の王ヶ頭が見通せる位置ですが依然として霧の中、記念撮影を済ませて「塩くれ場」から北アルプスの山々が一望できる「パノラマ展望コース」へ。景色は見えませんがこのコース、足元にはたくさんの種類の高山植物がみられます。
花の名前を確かめながら花の好きな女性軍は写真タイムの連続です。烏帽子岩に近づいたころ、霧がサーッと晴れ王ヶ頭から王ヶ鼻への稜線が見渡せました。歓声が上がり再び写真タイムに。
その後は次第に見透しが効くようになり昼食を終え王ヶ頭を後にするころには高原の全貌が見渡せるまでに天気が回復してきました。苦労して2日間歩き続けてきた仲間の笑顔! 「終わりよければすべて良し」。帰路、バスの車内ではスクール最後となる山行を回想しながら別れを惜しみました。美しい景色以上のものが得られた2日間であったと思います。