全国山スキー部会が「地球温暖化ストップ スキーヤー宣言」

2020年9月4~6日、岩手県八幡平で全国山スキー部会が開催され、「2020 地球温暖化ストップ!! スキーヤー宣言」の特別決議が採択されました。宣言全文は以下の通りです。

私たちが住み活動する日本列島は、中緯度に在りながら雪の恵みに多く与かり、豊富な水資源とともに、雪を活かしたスノースポーツを多くの国民が楽しみ、また産業として中山間地の振興に大きな役割を果たしています。最近では、日本のパウダースノーを求めて、世界中からスノースポーツ愛好家がわが国を訪れています。

ところが近年、地球温暖化の進行により我が国の山岳とスキー場は雪不足にみまわれています。新潟県は、昭和(37~63年)と平成(2~30年)の平均降雪量(5指定観測点)を比較すると、平成は昭和に比べて173㎝も年間降雪量が減っていると報告しています。このまま温暖化が進行すれば、スキーをはじめとするスノースポーツは重大な危機を迎えるでしょう。

地球温暖化は、産業革命以降の生産活動によって発生した二酸化炭素などの温室効果ガスに起因しています。国連気候変動枠組み条約国会議(COP)で2016年に約束したパリ協定は、「世界の平均気温上昇が産業革命以前(1850年頃)比で2℃を十分下回り、1・5℃未満となるよう目指す」と決めました。しかし、パリ協定に基づいて各国が提出した目標では、〝1・5℃〟の実現は不可能であり、中・米・印・露・日などの排出大国での温暖化抑止対策の一層の強化が急務となっています。

スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんらの呼びかけに応えて、2019年9月、気候マーチに全世界85ヵ国で若者をはじめ760万人が参加。日本では5千人が参加、長野県白馬村では高校生3人の「雪を守ろう」の発案に120人が賛同し、JR白馬駅から村役場までのパレードを実行、2020年2月2日には「グローバル気候マーチ」のプラカードを掲げ120人が岩岳スキー場を滑りました。

こうした動きに励まされて白馬村議会は2019年12月4日に「気候非常事態宣言」を採択しています。白馬村宣言は「人類が1・5℃目標実現のため、これから5~10年が最後のチャンスと認識するとともに、覚悟を持って行動を実施できるかが、生活や経済、ひいては地球の行く末をも決定付けることとなります」と緊迫感を持って宣言しています。

私たちスノースポーツ愛好者は、白馬村宣言に学び、自分事として気候非常事態を理解し、温暖化ストップの意思表示を行いましょう。日常生活と諸行動を地球環境倫理に則り、環境に優しい生活を出来ることから実行しましょう。クラブ・県スキー協などと協力しスキー用具のリサイクルを図りましょう。メーカーに対し再生可能な用具の提供を求めましょう。

私たちは他団体とも協力し、自治体に対し気候危機宣言を決議・実行するよう求めます。私たちは石炭火力発電の早期停止と、再生可能エネルギーへの転換を、政府と電力・エネルギー会社に要求します。以上、宣言します。

2020年9月6日 全国勤労者スキー協議会山スキー部会