FSGTから義援金8790ユーロ(約95万円)~日仏スポーツ交流

 2011年10月27日~11月6日、FSGT(フランス労働者スポーツ・体操連盟)の招待で、東日本大震災・福島原発事故への支援活動の一環である「日本の代表者と被災地のランナーとの連帯行動」に、新日本スポーツ連盟から5名が参加しました。今回、訪仏したのは永井博団長(全国連盟会長)をはじめ、和食昭夫さん(全国連盟理事長)、大友津代さん(宮城・お母さんランナーズ)、脇本ひろみさん(宮城県連盟)、安保進さん(岩手県勤労者スキー協議会)です。
 11月4は日、パリ北部郊外のセーヌ・サン・ドニ県にある人口3万2千人の小さな自治体スタン市を訪問。副市長のマダム・イザベルさんの案内で市内の総合スポーツ施設を見学、「サダコ・ササキ」とネーミングされた学童保育所などを見てまわりました。
 市役所の玄関ホールでFSGTに所属するスタンスポーツクラブ(会員は3000人、市民の約10%を占める)のメンバーなど約30人が参加して歓迎と連帯のパーティーが行なわれました。そのなかで、ジャンポール氏から
「フランスにおいても原発反対の運動を発展させていきたい」
との表明があったことが印象的でした。
 その後FSGTの会員から寄せられた義援金、8790ユーロ(約95万円)の「大きな小切手」が拍手の中で永井博団長に授与された。永井団長は、FSGTの今回の招待と多額の義援金をいただいたことに感謝の言葉を述べ、「被災者の実状と原発事故・放射能汚染の実態を報告。寄せられた貴重な義援金は、被災地の青少年のスポーツの復興のために有効に使わせていただきたい」と表明しました。
 10月30日は、「マルセイユ~カシ国際ロードレース」への被災地のランナーが出場しました。岩手1人、宮城から2人が参加しましたが、通訳の三瓶さんは福島県郡山市の出身でエクス・アン・プロバンス在住で、地元のFSGTのクラブに所属し今回のレースにも出場するとのこと。期せずして、日仏共同で福島を含む被災3県のランナー4人がそろって走ることが実現しました。

●名称 マルセイユカシ国際ロードレース(英名 The MARSEILLE CASSIS International Classic)
●参加者数 1万5千人
●開催数 今年で33回目
●距離 20.308km
●高低差 327m(登り9km 下り11km)
●コース マルセイユ・ベロドロームスタジアム~カシ港
●主催 文化・総合スポーツ団体「聖マルグリット」(FSGT所属のクラブ)
※FSGT…新日本スポーツ連盟と交流協定を結んでいるフランスのスポーツ団体。1934年に設立され、現在4千クラブ、25万人が所属する。

 このレースはFSGTが始めた大会で、フランスで最も人気があるレースのひとつで今回は15,000人が参加。登り9km、下り11km、高低差325mの過酷なコースだが、峠に近づくと一転して地中海の美しい景色に圧倒されながらのレースとなります。4人のランナーは「走ってみて初めてこのレースの魅力に納得」と言っていました。もちろん4人とも「元気に」「笑顔で」ゴール。ゴール後選手たちは、仲間や家族と浜辺で日光浴、海水浴。地中海の太陽を浴びて秋のバカンスを満喫していました。
 11月3日にパリでFSGTの本部およびセーヌ・サン・ドニ県役員と代表団の連帯会合が行なわれました。冒頭にFSGTのこの間の支援活動と今回の招待への感謝の言葉を述べ、つづいて7ヶ月を過ぎた被災地、被災者の実状と復興の現状と課題、スポーツ連盟はじめスポーツ愛好者の支援活動を報告。また、福島第1原発事故の深刻な実態、スポーツ団体としてのスポーツ連盟が今回の原発事故から何を学び「原発ゼロの社会をめざす方針」を決定したかを詳しく述べました。
 これに対して、FSGTのジャンポール氏からFSGTの各地の義援金の取り組みが紹介され総額で8790ユーロ寄せられたこと、日本の具体的な状況の報告へのお礼と支援活動を継続することなどの発言がありました。
 またこの会合では、2015年ごろまでの両組織の交流計画について全国レベルの交流事業だけでなく、新たな種目や地域、分野を主人公とした交流に発展させようということが出された。具体的には、卓球、障がい者のスポーツ、子どものスポーツ、ミックスバレーボール、ウォーキングなど、双方の発展に貢献する交流活動の可能性を追求しあおうということになりました。
参加ランナーの声
▼安保進さん(岩手県スキー協議会)
 「ベストをつくして笑顔でゴール」の目標でのぞみましたが、11km続く下りで足がやられてしまい、笑顔・笑顔と念じつつも、顔は引きつる有り様。きれいに整った農村風景は、農業してみたいと心が騒ぎ、絵を書きたくなるようなセザンヌの地、前菜、メインディッシュ、デザートそしてワイン、食べ物を前にして気になる体重。映像担当にとって、フランスは何処を撮ってもすばらしかった。
 半島の眺望にカメラはまわり、ヨットのある港は絵葉書そのまま、寺院は枠に入りきれないが、児童館では子どもたちの笑顔をパチリ。マルセイユの街並みは古く結構ゴミもあったが、それはそれでよかった。FSGTの皆さんから熱烈な歓迎を受け、感激しています。ありがとうございました。
▼脇本ひろみさん(宮城県連盟)
  「ハーフ」と聞いて、初めは2時間以内の完走を目指しましたが、前日のコース下見で、その決意はもろくも砕け散りました。地中海を望むコースと思いきや、周りの山々が眼下になるまで、ひたすらのぼり続ける過酷なコースでした。その分、景色はサイコー! しかし、大会当日は、その景色を堪能する余裕もなく、ただひたすら止まらぬように走り続けるのが精一杯。沿道の応援に励まされながらなんとか走り続け、ゴールのカシの港が見えた時には、天国を見た思いでした。
 タイムはともかく、このコースを完走できたこと、たくさんの応援、そして招待してくれたFSGTへの感謝の気持ちでいっぱいです。今回の訪仏で、スポーツは国籍や人種を超えて広がると実感しました。「平和であればこそスポーツも楽しめる」ことを、多くの人に伝えていきたいです。
▼大友津代(宮城・お母さんランナーズ)
 通訳の三瓶弘佳さん(福島県出身)と一緒に走り、なんと!走行中に取材を受けたのです。マイクを持って走る男性記者、前方にはバイクにまたがったカメラマン。私は支援に感謝と”頑張ろう日本”と言ったのを三瓶さんが伝えてくれたようです。後から聞くと震災があった日本からの参加があるという情報をつかんでの国営テレビの生中継でした。
 残り4キロ付近でカシの小さな港が眼下に飛び込み、今までの辛さを一気に吹き飛ばしてくれる景観です。あと1K地点の最後の登りを抜けるとそこは青い空と青い海、係留中の沢山の船。港は大勢の応援の人たちで埋め尽くされ大歓声の中、ゴールに向かってラストラン。最高の気分でした。
 翌日のプロヴァンス新聞は一面トップ。全記録が載っていて、私は2時間14分06秒でした。今回のこの企画はマラソンと交流、充実した意義ある思い出に残るものになりました。




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