被災地の子どもたちにスキーを|第3回春休み子どもスキーin宮城

2014-0326_1253.jpg2014年3月25・26日一泊二日、震災後3回目の春休み子どもスキーが震災津波被害を受けた石巻女川地区と山元町亘理地区から参加者88名、ボランティア56名計144名の参加で2日間に亘り宮城蔵王えぼしスキー場で実施されました。
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震災翌年2012年3月から始まった震災復興子どもスキーも3回目を数え、雪の少ない海岸沿いに住みスキーに馴染みの少ない子どもたちに自然の中でスキーを通じ、震災で受けた心の傷を少しでも和らぎ体を動かす事による人間本来の姿に立ち戻って欲しいとの願いで勤労者スキー協議会が中心となり多くの協力を得て3回に亘る子どもスキーが実施されました。
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今回は例年になく雪が多くスキー場も全面滑走可能であったことと、実行委員会に宮城労山の他、宮城県山岳連盟が協力団体として加わりました。初日は強風の為ゴンドラ、リフトが動かずリフト1本のみ運行、2日目は好天に恵まれ春の陽ざしを受けながらのスキー、初めての参加者から3度目の参加者まで、さまざまでしたが指導員の熱心な教えに応えるべく子どもたちはすぐ上達、2日目上手に滑れない参加者は指導員に付き添われゴンドラに乗車、下界を見下ろし自然を堪能した。

また、少し滑れるようになった子どもは山頂から滑り降り急斜面の所はスキー板を外しシリセードで滑り降りる。子どもたちにとってシリセードが一番楽しかったとか、その他上級班から初めての班までレベルごとに先生が付き指導されました。
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3年間子どもスキーを実施するなか、毎回感想文を書いてもらっていましたが1回目の感想文の中に5人家族で参加した親は、「仮設住宅に入っていて足を延ばして寝たことがなかったが1年ぶりに足を延ばして寝れた」とか、「家もスキーも流され二度とスキーは出来ないと思っていたが思いがけずできた」という親、別の地区の親は「1年間子どもの笑った顔を見たことがなかったが雪の上で転んで大声で笑っている子供の顔を見て助かった」等の声がありました。

昨年2年目は、2地区1日だけの日帰りだったが「上手に滑れるようになった」「来年もまた参加したいと」の声と期待がありました。今年3年目は連続して参加している子どももいて上手に滑れるようになったし、子ども同士仲良くなりホテルの風呂や食事を充分楽しんだ様子でした。
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感想文には楽しかったことがイラストと共に描かれ、ワールドカップの選手と滑ったとか、80歳を超える指導員に「人生の大先輩」とかピンクのウェアの先生とか金子夫妻とかたくさんありました。

女川地区の参加者で孫の付き添いで参加したお祖母さんは「冥途の土産に初めてスキー場を見せて貰った。スキー場は凄い所だし、こんな場所に連れて来て貰って感謝している」と言葉を掛けてきました。

3年間子どもスキーを実施し参加者、ボランティアの中に、誰一人としてけが人事故者もなく終了し、子どもたちから「ありがとう」「また、スキーをしたい」の声とバスから降り別れ際、男子中学生から感謝の「色紙」を頂きこちらが胸を熱くした次第です。

3年間子どもスキー実施にあたり力を発揮されたスキー協の皆様、協力援助された多くの方々に感謝申し上げます。被災地の復興は道半ばですが多くの力を頂いたことを胸に邁進してまいります。ありがとうございました。