神奈川県連盟が韓国体育市民連帯を招待|走って 観光して 五輪問題で意見交換

走って 観光して 五輪問題で意見交換
2016年、新日本スポーツ連盟神奈川県連盟設立50周年記念事業の一環として、FSGT(フランス勤労者スポーツ・体操連盟)と韓国体育市民連帯からランナーを招待して、月例マラソンや横浜駅伝などで国際交流を行いました。あれから3年が過ぎ、2019年も韓国体育市民連帯から3名を招待し、月例川崎マラソン、横浜駅伝に参加、他に横浜市内や東京観光なども行いました。時あたかも平成から令和への元号の二代にわたる国際交流となりました。
 
国際チームで駅伝に出場
今回、招待したのは、イ・ギョンヨル現事務局長、パク・ヘスク前事務局長、キム・ドクジン共同代表の3名です。4月28日開催の月例川崎マラソンでは、パクさんが3㎞、イさんは5㎞、キムさんは10kmに出場し、走る仲間と汗を流しました。月例マラソン終了後、参加者と一緒に食事をしながら交流を行いました。4月29日開催の横浜駅伝(エントリー数=356チーム)では、日本の仲間と国際チームを組み、混合の部に参加しました。混合チームで、国際チームは51チーム中47位でしたが、みなさんは楽しそうでより絆が強まった感じでした。国際チームとしての参加者は1区(10km)キムさん、2区(3km)山下紀子さん、3区(5㎞)イさん、4区(8㎞)藪並郁子さん、5区(3km)磯部津輝子さん、6区(5km)パクさん、7区(8・195km)橋本静修さんと42・195㎞を一本のタスキで繋ぎました。
 
歴史や文化を理解する
観光案内も国際交流として、相互にその国の歴史や文化を理解する上で重要なことと考えています。4月27日は神奈川ウォーキングクラブと新横浜ウォーキングクラブの案内で、横浜市内観光を行いました。4月30日は川崎ウォーキングクラブの案内で都内観光。日比谷公園でおにぎり昼食後、東京大空襲戦災資料館に立ち寄り、3人のメンバーに大きな感銘を与えました。その後、全国連盟を表敬訪問し、オリンピック問題についての意見交換し、懇親会の場へと移動しました。
 
※韓国体育市民連帯
新日本スポーツ連盟と友好関係にある市民スポーツ団体。2002年創立。スポーツ環境の改善とすべての市民がスポーツをともに楽しめる社会建設をめざした活動を展開。アスリートの人権問題、オリンピック開催における環境問題などに取り組んでいる。
 
【参加者の声】スポーツを通じた国際交流で、互いに刺激し合い、理解を深める
佐藤好行さん(神奈川県ランニングセンター)
韓国体育市民連帯は、エリートスポーツ偏重主義から生まれるあらゆる矛盾を是正する努力をしています。最近ではオリンピックによる環境破壊問題やSNSでの「#ミートゥー」運動など、スポーツ界から暴力・性暴力をなくすために社会的な課題に積極的に取り組んでいます。体育関係の大学教授・高校教師・スポーツ講師を中心に、120名の会員がいます。
 
今回来日した3名のうち2名はランナーではありませんでした。スポーツ団体職員とは言え「知識人がいきなり走れるのか?」と心配しましたが、月例川崎マラソンでは「ピストルの合図で思わずダッシュしてしまった」と、イ・ギョンヨルさんは5㎞を21分台で走る好タイム。さすが、体育大学出身です。
 
横浜駅伝ではスポーツ連盟会員と一緒に国際チームとして7名で走りました。2人は、この行事を通じて「ランニングの楽しさを知りました。韓国に帰ったらランニングクラブを探して走ります」と宣言しました。
また、ランナーであるキム・ドクジンさんは「来年の東京~広島~長崎反核平和マラソンに若い人を誘って参加したい」とスポーツを通じた平和交流を今後も続けてゆく気持ちを述べました。スポーツを通じた国際交流で互いに刺激し合い、理解を深める良い機会となりました。
 
キム・ドクジンさん(韓国体育市民連帯 共同代表)
今回の招待、あまりに大きなもてなしを受けました。朝と夕方に私たちを案内して、レンタカーで空港まで見送りしてくれたこと、とても感謝いたします。またソウルで会いましょう。
 
パク・ヘスクさん(韓国体育市民連帯 前事務局長)
5泊6日の間、日本で過ごしたすべての瞬間が楽しく、思い出に残る時間でした。横浜観光、東京観光でしてくださったウォーキングクラブ会員たちに感謝します。日比谷公園でピクニックの食べ物もおいしく食べました。神奈川、横浜、東京事務室を訪問して局長、所長、理事長、大学教授との交流親善会も有益でした。すべての活動の中心は平和にあり、その揺るぎない信念に尊敬する気持ちで拍手を送ります。
 
イ・ギョンヨルさん(韓国体育市民連帯 事務局長)
おかげさまで6日間、日本で本当に良い経験をしました。特に神奈川県連盟の方々に深い感謝の意を表します。私もこれからの人生を神奈川県連盟でお会いした方々のように過ごしていきたいです。地域でスポーツ共同体を運営している先生たちの姿が私の人生のロールモデル(role model)となりました。多くの経験と生活の勉強をしました。
 
今回の訪問でお会いした新日本スポーツ連盟の方々の健康を願っています。次にまた機会ができて訪問することになったら、今よりも軽く長く走るランナーの姿をお見せできるようにしたいです。