実践「入門太極拳」
実技:宇野喜久義先生

 第2回東海ブロックスポ―ツセミナーに参加した。これは「誰でも参加できる種目を超えた交流とスポ―ツ理論学習」という趣旨で、東海ブロックが年1回行なわれている行事である。今年のテーマは「太極拳」で、講師は劉方同先生と宇野喜久義先生。楊式太極拳をベースとし、8つの動きで構成された「入門太極拳」と、中国のラジオ体操と言うべき「長拳第一種」をやってみることになった。

 「長拳第一種」というのは、中国の子どもたちが習う体操だそうで、特に冬の寒い時期には長拳で体をあたためてから太極拳をすることがよくあるとのこと。1~8までのシンプルな動きで覚えやすい体操だが、実際にやってみると結構疲れる。一番キツいのは、脚を水平に上げるところ。手と脚を同時に上げようとすると、後ろにバランスを崩してしまう…。まさに手も足も出ない。

 太極拳のほうは、手と脚の動きをシンクロさせるのが難しい。先生は、「手と脚が一緒に動き始めて、同時に終わるように」と言うが、どうしても手だけ早く終わってしまい、脚が後からやってくる。だからと言って、別に手が早いというわけではない(どちらかというと買い物で足が出るほうだ)。車のマニュアル運転が下手な人、ピアノが弾けない人、包丁で野菜を切りながら足で冷蔵庫のドアを開けられない人、本のページをめくりながら足でテレビのリモコンを押せない人などは、是非太極拳をオススメしたい。

 劉先生が繰り返し言っていたことは「右をやったら必ず左もやること。左右のバランスが大事」。野球、テニス、バドミントン、バレーボール、卓球など身体の片側だけをよく使うスポーツをする人にとっては、こういう意識はあまりないのではないだろうか? 太極拳はひとつの動きをしたら、その動きを左右逆にしたり、巻き戻したりすることが多い。もしかしたら、スポーツのなかで普段している動きも逆にしてみると、何か新しい発見があるのかもしれない。

 ちなみに、今年から太極拳を始めたという水谷さん(愛知スキー協議会)は、テニスのコーチに「最近、何か始めた? 細かく動けるようになって、テニスが変わってきたよ」と言われたそうだ。細かく動けない卓球プレイヤーとしては、うらやましい限りである。(文=佐藤信樹)



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