2008年9月号
応援してくれる人の思いを受けて
精一杯プレイしたい
おおむら・しおり 1985年生まれ。東京都出身。15歳のときに骨肉腫を患い、右膝に人工関節を入れる。ポジションはアタッカー。東京プラネッツ所属。
7月某日、都内の体育館にて。北京パラリンピックに向け、シッティングバレーボール日本女子代表チームの合同練習が行なわれていました。蒸し暑い体育館のなか、笑顔を絶やさず楽しそうに練習しているのはチームのエースアタッカー、大村心緒吏選手。「いろいろな人に応援してもらっているので、パラリンピックでは悔いが残らないよう精一杯プレイしたい」と意気込みを見せます。
大村選手は、高校1年生の秋に骨肉腫を患い、右膝の関節を取りました。人工関節のおかげで普通に歩くことはできますが、走ったり、ジャンプしたり、無理な動きをすることはできません。「病気を負って入院していたときに、母の友人が『足に障害があってもできるスポーツはないか』とインターネットで調べてくれたのがシッティングバレーボールでした。退院後、母に『1回でもいいから』と勧められたのがキッカケです。もともと立位のバレーボールをやっていましたが、正直言うと最初はあまり行く気がしませんでした。“障害者のためのスポーツ“と思って甘くみていたんですね。ところが実際にやってみると、立位だとできたことが座ってやるとできない。それが、すごく悔しくて…(笑)。そういう難しさが、シッティングバレーボールの魅力なんだと思います。」
膝を100度以上曲げられない大村選手は、右足を寝かせた“お姉さん座り“の体勢でプレイします。「ただ、その姿勢が右膝に良くないらしく、昨年の暮れに人工関節が壊れてしまいました。新しい人工関節を入れて2ヵ月間、寝たきりの入院生活だったので、体力がかなり衰えてしまって…。これじゃまずいなと思って、最近ジムに行くようになりました。腹筋と背筋、スパイクのときに使う肩の筋肉、移動する際に使う腕の筋肉などを鍛えるようにしています。」
家族に膝の調子を心配されつつも、厳しいトレーニングを積むのはパラリンピックという大舞台のため。「世界の選手とは体格の差がありすぎて、真っ向勝負では厳しい。だから、粘り強くレシーブでつないで、相手の高いブロックを抜けられるような攻撃をすることが必要です。早いトスで相手のブロックの枚数を減らしたり、ブロックのサイドを抜いたりできるように技術を高めることがこれからの課題だと思います。」
将来の夢は「おばあちゃんになっても、シッティングバレーボールをやって笑っていること」。大村選手の明るい笑顔が、日本代表チームを盛り上げます。
「スポーツのひろば」2008年9月号より
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